私はしたがわない

音響詩風味。サ行五段活用とサ行変格活用に「~がらない」を付けて連発する。(0・6枚)

結末のない物語

本当に結末がない。お客さんに次の展開を考えてくださいといって投げっぱなしのまま放置中(4・5枚)

竜宮城

会話体小説の試み。竜宮城にやって来た人をもてなすために色々と説明をしている受付嬢の一人称会話体で話は進む。宮沢賢治「注文の多い料理店」から引用がいくつかあるが、着想は芥川龍之介「藪の中」。(3.6枚)

瞬間の曖昧さについて

瞬間とは何か。あるデザイン事務所を訪れ、とある一瞬のできごとをただひたすら長々と描写した作品。小説の時間軸の問題を射程に。(2.7枚)

「静」に関するようで全く関しない前口上

時折手掛けるライブの導入となる前口上モノ。再演は難しいが、小幅な書き換えや部分挿入などで応用が可能。

春なのに

菅野祥子作曲「春なのに」から着想。春の訪れを目前にしたある日、ひとりの女生徒が図書館に訪れるが、探している「本」を見つけ切らないままに友達に呼ばれて去ってしまった。擬人化シリーズの第一弾。(3枚)

悪の巨神デスマイヤーの憂鬱

戦隊ヒーローシリーズのスピンオフ的な話で、悪者のボス役から見たストーリー。地球支配を目指す直前、そもそもどうやって悪の星を統治した/しているのか、そこには共感や規範といった道徳とつながるものの存在があるのではという思考を物語化。(3.2枚)

とあるテント職人の話

テントを張ることの絶対的な自信を持っているテント職人が、あるとき初めて、テントを張ることができなかったというお話。「とある蛇についての話」とタイトルを重ねている。(2枚)

オオカミ青年

ひところ話題になったフェイクニュースサイトから着想を得た作品。現在工事中。(4.5枚)

いつくしい母親の告白

息子の運動会を心待ちにしていた家族に降りかかった悲劇を母親目線で振り返る。役者の辻野加奈恵に音読されるために書いたもので、安藝の初めての女性一人称の音読作品。再演は女声が望ましい。(4枚)

溜め息はロ短調

リストのピアノソナタロ短調に触発されて書いた短い作品。造語のオンパレードで音楽的に聴かせる(読ませる)。(1.4枚)

飽愛

「もう店には来ないでほしい、君には飽きたんだ」という趣旨の書簡体小説。ホストで働く「俺」が、常連客の真奈美へ宛てた手紙で、真奈美に対する思いや、真奈美が俺に突き付けた質問の邪悪さなどについて言及する。文学史上、書簡体小説は数々の名作を生み出してきたが、現代において手紙が書かれることのリアリティーを意識すると、新しい側面が見えてくる。(7.2枚)

飽きるほどの拷問

安藝が羅列詩と呼んでいるジャンル。歴史上の拷問器具、拷問方法、実際にあった拷問、を羅列して並べただけの作品。音読する際には最初は緩やかに、後半からたたみかけるように速度をつけて。(5枚だが改行空白多し)

「飽き」に関するようで一切関しない前口上

怒涛のように繰り広げられる話芸を文字に起こして読んだという作品。テーマから立ち上げたので再演が難しいが、逆に言えば少しその辺りを変えるだけで趣の違うものとしても成立する。(1.7枚)

沈黙

阪神大震災が発生した1.17を追悼するセレモニーを、新聞記者の私が取材している。22年前の地震の取材状況を思い起こしながら、最も被害の深刻だった長田区へと足を運ぶ。白いワンピースの少女がたびたび私の前に現れ、22年前の取材の記憶が呼び覚まされる。声を聞きたいのに聞けない死者たちに、私が思いを馳せていると、その少女がまたふと現れる。1~2人称体作品。(4.5枚)

アラジン

曾祖父の屋敷に遺品整理に来た美里。質素倹約に努めた昔を思い出していたが、屋根裏部屋に入ると、絢爛豪華な品々が残存し、まったく想像だにしない曾祖父の一面を発見。美里はそこに一つのランプを見つけだし、「魔法の精でも出てくるのでは」などと思いランプを擦ってみた。(2.4枚)

筆談セックス

「僕は、妻と1年ほど前から、筆談セックスをしています。筆談セックスとは、筆談でセックスをすることです。」という冒頭から、二人の独特なセックスの方法が描写される。後半、なぜ筆談セックスをするようになったのかを告白し始めると、物語は一気に展開する。(2.5枚)

分厚い心

出版社で働く青年ムネタカは、同じ部署の同性の先輩のことが気になり始める。快活な先輩に心をときめかせながらも、次第にその自分でもどうにもできない心が重くのしかかる。「内に秘めた心」を執拗に描写。そうしてラストの場面、分厚い辞書を手に取り、あの言葉を引くと…。3人称物語体で書かれた作品。前半と後半で分けられるようになっている。(7.8枚)

後ろ髪を引く

画家、百合野美沙子の作品「朝顔が降る朝」をモチーフにした散文。黒髪の女の子の「後ろ髪を引きたい」という衝動と、「後ろ髪を引かれる」という慣用句から着想した。ハイデッガーなども引用。(1枚)

私はまっている

「待っている」「止まっている」「待っている」を繰り返す手短な音響詩風。(0.5枚)