盲目琵琶法師のマルチリヨ

マルチリヨとはポルトガル語で「殉教」を意味する。全国禁教令および伴天連追放令が発せられ、キリシタンに対する徹底した探索と苛烈極まる拷問が繰り広げられていたころ、肥前でとある盲目のキリシタン琵琶法師が捕らえられた。密告者の茂吉と、琵琶法師との対峙。信仰とは何か、信じるとは何か。2018年5月、静岡・駿府城公園などで開かれたストレンジシードにて、8個のスピーカーを円形に並べて音響空間を生み出す「マルチチャンネルスピーカー音読(安藝命名)」によって上演された。

デリジェンサー
手ックス

私と私の妻「夏子」が交わす手ックスは、二人の距離を確かめるじれったくも慈しみの込められたやりとりだったが…。

四月一日ずの前口上
ねじれる気持ち

画家の大叔父様をアトリエを手伝うとも子。ある日、大叔父のアトリエで青年・青木と出会う。大叔父ととも子の秘密。二人の関係を問い詰める青木。
「この赤い色を見て。確実に私の中に流れている、この血の赤色を見て。青木君、全部見て— 」
浅山美由紀展のテーマである「生まれる場所」からインスピレーションを得て書き上げた作品。

バスを待つ
私は声である

ーー私は声である。私は人間の声であり、人間の心の声であり、動物の声であり、虫の声であり、万物の声である。要するに私は、声という概念そのものである。
人々が会話をする際、人々の言葉を媒介してくれる「声」。そんな声が喋りだしたらどうなるのかという思考実験的作品。2018年3月に開かれたイベント「七間町ハプニング」参加作品。映像付きでの上演で、羅列文、音響風味、主体変化などをちりばめた。

はだけた王様

昔話・童話シリーズ。王様は裸なのか、それとも裸ではなかったのか。そんな事実とは無関係に暴走していく王国内の世論。最後に王が執った選択は、裸ではなく、しかし服を着ている状態でもない「はだけた王様」になることであった。

自由の淑女

ーー今宵、イルターボロにて「王妃の涙」を頂戴する。
ラジオ放送で流れたマダム・リベルテからの犯行声明。その瞬間から7人の物語が交錯し始める。ジャズバンド「皆川座hyper jazz sonic」とのコラボレーションから生まれた小品7つによる数珠繋ぎ作品。

縁日ラプソディー

青葉通りの縁日に訪れた私と私の息子の隆。よく晴れた空の下で、隆はお兄さんに作ってもらったゴム鉄砲に夢中になっている。そんなとき、知恵の輪に苦しめられている友達の愛子ちゃんと出会う。愛子ちゃんのいやらしい知恵の輪と、隆の立派な鉄砲が…。

暗夜行列車

ストリートフェスティバル・イン・静岡で披露した作品。暗夜行列車に乗って夜へと向かう旅路にいざなう。いくつかの街々をこえて、最後はトップスピードへ加速いたします。ストフェスでは映像付きで披露したが、音読のみも可能。(8枚)

毒樹の果実

盗用の魔女シリーズ第一弾。芥川龍之介「桃太郎」と、とある雑誌記事の切り抜きをつなぎ合わせ、全く別物のようなテイストに仕上げた。(1・9枚)

流しそうめん

流しそうめん大会に呼ばれ、マイ箸を持参してくるほど意気込んでいた「僕」。しかし、「僕」のそれよりもさらに太くて逞しいマイ箸を持ってきた同僚が立ちはだかり……。(2・2枚)

言葉の熱量

稀代の珍小説家、此花赤太郎の命日に墓参りにやって来た「私」の回想録。赤太郎の珍プレーぶりを惜しげもなく披露する。(3枚)

意識以上、言葉未満

シャンギリの踊り手である少女は、恋に落ち、シャンギリが踊れなくなってしまう。その人のことを考えれば考えるほど、少女のシャンギリはシャンギリではなくなっていく。あるときその恋の相手が、交通事故に遭う。(3・5枚)

朗読セックス

「筆談セックス」に続くセックスシリーズの第二弾。2つの本を持ち寄って朗読し合うのをセックスのように絡ませ合いながら展開する。(3・5枚)

拝啓、デコルテライン様

「あなたの優美な線に、私はキスせずにはいられない」で始まる、デコルテラインに対して宛てた手紙。オスカーワイルドの戯曲「サロメ」の文章構造を多く引用したエチュード的作品(2枚)

憎悪

木琴の音色がラジオから聴こえてくる。その音にかつての記憶を呼び覚ます僕。母の過去、木琴奏者、そして現在へとつながっていく。後半は独白体と会話体とを交錯させるという試みも。打楽器奏者、風間晴香との共演を念頭に構成した。(8枚)

北風と北風

太陽に敗北を喫した北風は大きくアイデンティティーを傷つけられた。その凋落と復権について話し合うべく、世界各地の北風が招集された。最初は議論がかみ合わず暴風が吹き荒れていた会議だったが、ある一人の北風の発言を境に神風が吹いたかのようにみるみる議論は進展してゆき……。(4・3枚)

暗夜行

「私」が夜道を歩く、抽象的な散文。(1枚)